Team CRC Japan2006レポート(42)




Team CRC2006メンバーのmatsさんからご自身10回目となるレポートをいただきました。前回レポートの続きになっています。 前回のレポートは こちら
1日目に発生したツイークずれの原因を探るため、終了後宿でマシンのチェックを行いました(全部で3時間もかかりました...)。 まず、高さのずれていたフロントサスアームの下面をサンドペーパで削り、両側のアクスルの 高さの差が0.1mm以下となるように調整しました。それでもやはりツイークはずれており、 シャーシ先端中央を持ち上げると本来重いはずの受信機側(車両右側)でなく、アンプ側(左側) が下がっていました。つまり左前輪に加重が大きい状態です。その左側に20g以上もあるAMBトランス ポンダーがさらに載るのですから、強烈な左巻きが出るのは当然です。
色々調べた結果、右シャーシブレースを止めている2本のビスを緩めると、ツイークずれが直ること を発見しました。さらによく見ると、前側のビスをとめたまま後ろ側を緩めた場合、シャーシブレースと ポストの間に隙間ができていました(下記写真参)。

どうやらポストの上面が軸に対して垂直でないようで、ポストを 回転させると、隙間が出ない位置が見つかりました。ここでビスを締めなおすとツイークずれは見事に 解消しました。ポストの寸法ばらつきによってシャーシブレースとメインシャーシの間に歪みが発生し、 それがツイークずれの要因となっていたようです。
また、クラッシュ等によりこのシャーシブレースがずれると、ツイークバランスが容易にずれることも分かりました。雨で中止となった第2ヒートで他車と接触したあと片巻き症状が出ました。ロールスプリングがシャーシブレースを止めている2本のビスと三角関係の位置にあるので、シャーシブレースがずれるとセンターピボットに対するスプリングの位置がずれることによるものです。この問題についてはきみひこさんに対策を依頼しましたので、今後CRC本社で改善検討がされるものと思います。
今回の問題によってツイークの調整について色々勉強になりましたので、私の調整法について紹介したいと思います。まず平らな板を用意し、水準器で水平を出します。走行用バッテリーは搭載せず、モーター、ピニオンとピッチングダンパーは取り付けます。タイヤは左右同じ径のものを取り付けておきます(下記写真参)。

ロールダンパーを外してツイークスクリューを一番上まで緩め、ロールをフリーにします。その状態でシャーシ先端中央をピンセットなどの先端の細いもので持ち上げて、シャーシの傾きを見ます。当然ですが重いほうに傾くはずです。私の場合、ポンダー無しで受信機側(向かって左)、ポンダーを付けるとアンプ側(向かって右)が下がる状態でした。まずは重力の法則どおりに動くか確認します。本来はメカ類をきちんと左右バランスを取って搭載するのがベストです。時間があればメカの配置をいろいろ変えて左右のバランスを取るのが良いでしょう。
ここからツイークスクリューを左右均等に締めこんでいきます。サイドスプリングがロアブレースにタッチするぎりぎりのところで、再びシャーシ先端中央を持ち上げて左右バランスを見ます。左右のタイヤが同時に持ち上がるよう、左右のツイークスクリューを少しずつ調整します。片方を少し締めたらもう片方を同じだけ緩めるようにします。左右のメカ類の重さ違いや、サイドスプリングの自由長のばらつきもあるので、左右の締め込み代は異なってきます。 フロントタイヤを片方ずつ持ち上げてみて左右同じ高さだけ持ち上がればOKです(下記写真参)。走行前にバッテリーを搭載し、配線をして同じようにチェックします。配線の具合によりずれが出る場合があります。

初期ロールを増やすためにサイドスプリングを若干浮かしたい場合は、左右の重量バランスをきちんと合わせておく必要があります。左右のテンションが異なっていると同じ隙間だけスプリングを浮かすことができません。
今回の大会では車種によらず左巻きに悩んでいる方を多く見かけました。路面の状況もあるかもしれませんが、左側にトランスポンダーを搭載する場合は左前タイヤの荷重が増えるので左巻きになりやすいです。必ずダミーポンダーを積んだ状態でツイーク調整をするようにしましょう。
次回は大会2、3日目の模様をレポートします。お楽しみに!
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