彼は運転免許を取得する前から実車レーシングカーの仕事に携わっていました。そして運転免許を取得すると共に実車ドラッグレースに参加し数々の記録を残しています。

写真は1934年フォードクーペ

４人の父親となったGene Husting氏は実車レースから退き、スロットカーの世界に。

写真は当時のGene Husting氏と彼が設計したドラッグ・スロットマシン。このマシンは世界ではじめて１秒を下回る0.93秒というワールドレコードを樹立。この記録はその後２１年間も破られることがありませんでした。

その後Gene Husting氏はRCカーの世界に入り、DELTA社のR/Cカーを購入しレースの世界に没頭します。

この当時Gene Husting氏はカリフォルニアでガソリンスタンドを経営していました。アソシエイテッド社のオーナーRoger Curtis氏（写真）はガソリンスタンドを利用するユーザーの１人でありR/Cカーレースを一緒に楽しむ友人でもありました。

Roger Curtis氏はその後アソシエイテッド社にGene Husting氏を迎え入れることになります。これを機会にスロットカー専門メーカーであったアソシエイテッド社はR/C専門メーカーへと変貌していくことになります。

1977年初めての世界選手権がカリフォルニアで開催されました。Gene Husting氏が設計したRC100は１〜７、９位入賞という快挙を成し遂げました

Gene Husting氏はアソシエイテッド・オーナーRoger Curtis氏に1/12スケール電動R/Cカーの開発を進言します。写真は雑誌の表紙を飾ったRC12E。アソシエイテッド社初の電動R/Cカー

Gene Husting氏はRC100を進化させたRC200、RC500の設計をおこないいずれもレースで大きな成績を残しています。

ドイツでおこなわれたレースでGene Husting氏はMike Reedy氏（写真）よりモーター・バッテリー市場への参入を促されます。そしてアソシエイテッド社はReedyブランドを同社製品ラインアップに加えることになります。

Gene Husting氏はレーシングとドライバーを愛しています。勝利はもちろん重要な事ですしかし彼は調子が悪いドライバーのモチベーションを上げるための努力を惜しみません。勝利が全てでは無いのです。彼のサポートはチームメンバーに限ったことではありません。彼らの功績によってアソシエイテッド社の製品は世界選手権を何度も制することができました。

Gene Husting氏はR/Cコラムリストとしても著名です。RC Modeller誌（R/Cプレーン専門誌だがその中にR/Cカーのコーナーを持っていた）やRC Model Cars誌（初のR/Cカー専門誌）に連載を持っていました。

2000年、７２才になったGene Husting氏（写真・右）はアソシエイテッド社を勇退することになりました。写真左はオーナーのRoger Curtis氏

Gene Husting氏は偉大なドライバーであり、設計者であり、そしてビデオグラファーでもありました。彼が訪れた世界選手権やビックレースの模様を彼はビデオにおさめていたのです。

アソシエイテッド社の退社を機にGene Husting氏は自身のブランドを立ち上げ大変貴重な映像を記録した３０巻のDVDビデオ「R/C Car Racing Video+」をリリースしました。