ケーブルロス抵抗の測定

RCショップにいくと色々な太さのケーブルが売っています。太い方がロス抵抗が少ないのはわかるのですが1/12ではわざと細めのケーブルを使うドライバーの方がいます。太いケーブルを使う事でリアポッドの動き(ロール)が阻害されたり、重量増を嫌うというのが主な理由のようです。

ふ〜ん、ナルホド。じゃどのくらいの細さまでが許容範囲なのか??そこで今回はいくつかのケーブルを準備してロス抵抗を比較してみました。

今回準備したケーブル。上から

1.電子基盤のジャンパー線
2.ABCホビーのシリコンコードS
3.ABCホビーのシリコンコードM
4.16ゲージケーブル
5.14ゲージケーブル
6.12ゲージケーブル
7.オーディオスピーカケーブル(銅)
8.オーディオスピーカケーブル(銀)

それぞれのケーブルは10cmの長さで統一しておきました。4と7のケーブル、そして6と8のケーブルはほぼ同じ太さです。

   

ロス抵抗の測定はこのようにおこないました。CDC充電器の放電機能を使ってバッテリを放電します。このとき被測定ケーブルの両端における電圧降下をテスターで測定し、その結果からロス抵抗値を算出します。

CDC充電器は20A以上の放電ができないため、26A・30Aの測定ではもう1台のCDCを使って測定しました(1台のCDCは20A、もう1台では10A放電として計30A放電としました)

1)10A放電時のデータ
まずは10Aで放電したときのロス抵抗を測定してみました。

ケーブル
ロス抵抗
電子基盤のジャンパー線
25mΩ
ABCホビーのシリコンコードS
18mΩ
ABCホビーのシリコンコードM
6mΩ
16ゲージケーブル
2mΩ
14ゲージケーブル
2mΩ
12ゲージケーブル
1mΩ
オーディオスピーカケーブル(銅)
3mΩ
オーディオスピーカケーブル(銀)
1mΩ

やはり太いケーブルはロスが少ないようです。10A程度では16ゲージと14ゲージは大差無しという結果でした(厳密には差があるはずですが、使用したテスターはあまり良いものではないので・・)

2)26A放電時のデータ
次に26Aで放電したときのロス抵抗を測定してみました。最近の3300mAhバッテリはおよそ26Aで放電すれば約8分で終了となるので、1/12をコースで8分走行させたときの平均電流を想定したものです。

ケーブル
ロス抵抗
電子基盤のジャンパー線
20.7mΩ
ABCホビーのシリコンコードS
13.4mΩ
ABCホビーのシリコンコードM
6.5mΩ
16ゲージケーブル
3mΩ
14ゲージケーブル
1.9mΩ
12ゲージケーブル
1.9mΩ
オーディオスピーカケーブル(銅)
3.8mΩ
オーディオスピーカケーブル(銀)
1.9mΩ

灰色のケーブルではロス抵抗が下がっているように見えますが、実際には26A放電できませんでした。さらにこれらのケーブルは異常に発熱し、焦げ臭い匂いがしていました^^;; キケン。

3)30A放電時のデータ
最後に30Aで放電したときのロス抵抗を測定してみました。

ケーブル
ロス抵抗
電子基盤のジャンパー線
N/A
ABCホビーのシリコンコードS
N/A
ABCホビーのシリコンコードM
N/A
16ゲージケーブル
3mΩ
14ゲージケーブル
2.6mΩ
12ゲージケーブル
2mΩ
オーディオスピーカケーブル(銅)
4.6mΩ
オーディオスピーカケーブル(銀)
1.7mΩ

細いケーブルは焼損の恐れがあるので測定しませんでした。やはり12ゲージケーブルのロスは少ないという結果がでました。オーディオ用のケーブルもなかなか良い結果を見せてくれました。オーディオ店では1mで400円くらいで買えるので選択肢の1つとしてもいいかもしれません。以前同じようにESCのロス抵抗を測ったときは約1mΩだったので、ケーブルでかなりロスしていることがわかりました。今回は10cmのケーブルを使ったのですが、実際にはそれ以上の長さを使うことになるのでそのロスはバカにはできないでしょう。

う〜ん、この結果からみるとやはり12ゲージが良いような気がしますね。あとは上述したリスクとのトレードオフになりそうです^^;;