こうぐちくんの愛車紹介 〜Part10〜

こうぐちくんの愛車紹介の10回目はこうぐち君のトリニティーリビルトレポートの続編です。例によって文章・写真はこうぐち君に寄稿してもらいました。

 

前回は、サスアームの取り付けやボールのセレクト、キングピンの使用法などを紹介しました。今回は、その続きでフロントサスペンションを一気に完成まで持っていこうと思います。

シャーシにバッテリーを載せた状態、即ち走行状態でフロントサスを良く見てみると。。
ステアリングブロックとロアサスアームのボールとの間に隙間が出来てしまいました。
これは、ツーリングカーで言うところのリバウンドだと思います。
12では、リバウンドがあると直線でふらつく原因となるようなので、シム調整でこれをなくそうと思います。
   
私はトリニティ純正の0.020”を基本にしており、このスプリングはタミヤF103用、アソシL3用のスプリングに比べて、円の直径が大きいところが特徴です。なぜこれを好んで使うかというと、まず第一はトリニティだから。。そして、直径が大きいことでスプリングとキングピンがほとんど干渉しないので、サスペンションの動きがスムースになると思うからです。シムは左がトリニティの真鍮製モーターシム、右はアソシのキングピン?シムです。ところでテックのモーターシム、イーグルのモーターシムは、アッパーアームとステアリングブロックの隙間を作るときに使用しています。トリニティのモーターシムはおよそ0.46mm?アソシは0.5mm程度だったと思います。 また、シム調整するときは、キングピンがホイールに干渉しないように注意しています。入れるところは3箇所で、アッパーの上、アッパーとステアリングブロックの間、スプリングの下です。ここにリバウンドを見ながら、上手にシムを入れてゆき、ちょうどリバウンドがなくなるところを基準として、その状態から走り始めるようにしています。
   
写真はアソシのステアリングブロックとアクスルを使っています。トリニティのステアリングブロックよりおよそ1mmキングピンによる(オフセットが少ない)ので、曲がるように感じると思います。アソシのステアリングブロックやヨコモのオフセットアクスルでキングピンシムを調整したものをトリニティのブロックに戻すときは注意が必要だと思います。キングピン=ホイールのセンターからアクスルが離れるので、ホイールに干渉しやすくなるからです。またアソシのステアリングブロックを使うと、トリニティのものよりサーボのロッドも前におよそ1mm前に出るようにピロボールが位置するようです。これはサーボを前後してアッカーマンを変えることに似ているのではないかと思います。シム調整したキングピンの上下のEはニュートラル状態で前向きにしておくと、ホイールとの干渉が防げるようです。
   
シム調整、Eリングの向き、他の調整が終わったものです。
スプリングの下には、トリニティのモーターシム、アソシのシムをそれぞれ1枚挟みました。ところで、これらのシムは外形がことなるようで、アソシのシムをスプリングのほうに挟むと、シムがスプリングの中へ入り込んでしまうことがあるようです。そうなれば、リバウンド無しギリギリに調整しているので、再びリバウンドが出てしまいます。トリニティのモーターシムも少し外形が小さいので、僅かに大き目のモーターシムをそろえておくと良いと思います。あとは、数種類の厚みまでそろえるとさらに良いと思います。
   
シム調整を済ませると、今度はアライメントの調整です。
私は写真のような自作ツールで調整しています。キャスターもキャンバーもキングピンの傾きであるので、その上下を固定して計測するのが良いのではないかと思っているからです。 ャンバーは、1°〜2°くらいまでの範囲で調整することが多く、たいてい1.5°で走っています。タイヤの減りを見て、あらためてこのツールでキャンバーを診ると、1.5°であることが多いので、最近は始めから1.5°に合わせるようにして います。
   

続いてキャスターです。トリニティ・リボルバーのリンク式サスペンションは、上のキャンバ−とこのキャスターを交互に調整して適性値に近づけると良いと思います。今後、このツールに改良を加えて、車高まで考えた対地キャスター、キャンバーゲージにバージョンアップしようと思います。また、セッティングボード上でこのツールを使うと、バンプの量(ミリ単位で)、
アッカーマン=左右切れ角の差まで計測できるようになりました。個人的には見た目で十分と思っていますが、とっかかりをやさしくするためと、眼を ’鍛える’にこのツールをしばらく使ってみようとおもいます。
   
左右のアライメントが調整できたら、トー角の調整をしましょう。始めは写真のようにピロボールのガタを押すようにノギスを当てて、ホイール後ろ側の長さを計ると良いと思います。
   
続いてホイールの前です。こちらもガタを押す感じでノギスを当てて、最終的に前後の長さが一致するところが、トー角ゼロです。この計測方法はいつものチャンプで聞いてきました。
   
トー角調整の次はバンプ調整に進みましょう。始めにトー角ゼロを調整したときのフロントホイール間の長さを記録しておきます。 しして。フロントシャーシブレースを押して、サスペンションをフルバンプさせます。このときノギスでトー角調整時と同じようにホイールの間隔を計測します。それらの2つの差が、バンプ量に当たるのではないかと思います。サスペンションが沈み込んだ状態で、間隔が狭くなるのはバンプイン、広くなるのはバンプアウトということでよいと思います。聞くところでは、1.6mmバンプインが良いそうです。私の車はこの値が少なかったので、次で調整することにします。
   
バンプ量の調整は、主にステアリングブロックのピロボールの長さで行うことが出来るようです。また、他にはサーボセイバーのセンターからの距離を変えることでも可能なようです。こでは、ピロボールで調整してみます。私の車はバンプ量が少なかったので、増やすためには、、。こんなときにトリニティのロングピロボールの個体差が役に立ちました。方向はステアリングタイロッドを前から見てよりハの字を強くするように、でよいと
思います。手持ちのロングピロボールの中でも、長さの短いものをセレクトして取り付けました。さらに、左右のピロボールに高さ(長さ)の違いがあったので、薄いシムでその誤差を無くすことにしました。そして、バンプが1.6mmになるようにシムで高さを調整した結果が上の写真です。ビミョウにシムが入っているのがわかりますでしょうか?
   
アライメントの最後はアッカーマンを調整しましょう。アッカーマンは主にサーボを前後させて調整することが多いようです。私の場合は、 サーボを前後させることはなく、サーボセイバーホーンのピロボールにシムを挟んで調整しています。始めは左右を同位相(同じ程度の切れ角)になるように調整し、そこから、コーナー後半にもっとステアリングが欲しいときには、内側の切れ角を強くするように調整すると良いと思います。コーナリング後半は、徐々に内側のタイヤへ荷重が乗ってくるので、このタイヤの向きがステアリングに影響するのではないかと思っているからです。
   
最後に。ヤッキ−車をみると、このようにステアリングブロックとロアアームの間にイーグルのモーターシムが入っていました。
このとき写真では、サスアームの下のスペーサー(1.6mm)はノーマルですが、これを1.1mm程度にすると、他のアライメントを固定したまま、あるアライメントだけを変更することが出来るそうです。さてなんでしょう。興味がある人は考えてみてください。
   

まとめ。今回のフロントサスペンション調整は、トリニティ固有のものではなく、アソシでもカワダでも避けては通れない?始めの一歩ではないかと思います。説明書どおりに組み立てたと思っていても、樹脂のゆがみやネジの締め込みの微妙な違いによって、大きくずれることがあるようです。速く走らせられる人の車は、このあたりを絶妙に調整していると思われます。まずは始めの一歩といったフロントサスペンション調整編は一応これで終了です。