Pro Trakの充電コネクター

プロトラックの充電コネクターは標準でヨーロピアンコネクターが装備されています。他社の発売する充電器ではワニ口クリップが一般的です。単なる充電器ではなくBMS(Battery Management System)を謳うプロトラックならではの意味がありそうです。この辺を実験を交えて検証してみました。

セル1とセル6の電圧が低く検出される問題に悩んでいる人には役に立つと思います (^^)/

他社の充電器で使われるようなワニ口クリップを装備しないプロトラック
ワニ口クリップはどのような端子にも対応できて便利。僕もサーキットではワニ口クリップを愛用しています。

プロトラックはリモートリードを使って各セルの電圧を個別に測定することができます。

セル1:−端子と茶ケーブル
セル2:茶ケーブルと赤ケーブル
セル3:赤ケーブルと橙ケーブル
セル4:橙ケーブルと黄ケーブル
セル5:黄ケーブルと緑ケーブル
セル6:緑ケーブルと+端子
パック電圧:−端子と+端子

ここで注意したいのは+/-端子とリモートリードでは太さ・長さが異なる点です。従って+/-端子とリモートリードでは抵抗が異なります。これを考慮しないと正しくセル電圧を測定することができません。

プロトラックでは抵抗の違いを内部的に足し引きするキャリブレーションという仕組みを持っています。例えばセル6の電圧が実際よりも0.05V低く測定されるなら、0.05V高くなるようにキャリブレーションをおこないます。

 

僕個人の経験ですが、プロトラックを使い始めた頃せっかくキャリブレーションを合わせても、毎回電圧測定に誤差が出ることがありました。特に大電流が流れる放電でこの傾向が顕著でした。

いろいろと調べた結果どうやら+/-端子に原因があるようです。そこでテスターを使ってパック電圧を測定してみました。結果を明確にするためキャリブレーションをすべてリセットしておこないました。

 

ワニ口クリップを使って30A放電したときの電圧を測定してみました。ピンクはテスターで測定した実際の電圧です。ブルーはプロトラックが測定した電圧値です。両者にはおよそ0,3Vもの差がありました。

そして厄介なのは毎回電圧の差に違いがあることです。左のグラフは今回の実験で最も差があったときのものです。差が0.2V程度だったこともありました。ワニ口クリップでは接触が安定しないのでしょうか。

これじゃせっかくキャリブレーション調整してもあまり意味がありません・・

そこで今度はヨーロピアンコネクターを使って同じように測定してみました。ワニ口クリップの時よりも値は安定しました。

各社から発売されている数種のヨーロピアンコネクタ(メス)を試したところ、驚くほどその違いがでました。このグラフは最も誤差が少なかった結果です。誤差はわずか0.05V

値も毎回同じで安定しています。これなら安心して電圧データを信頼できます。

**0.05Vとはいえ誤差があるじゃん!と言われそうですが ^^)ゞ 今回の実験ではキャリブレーションデータをリセットしています。もちろん0.05V高く測定されるように調整できます!さすがプロトラック

 

同じようなヨーロピアンコネクタなのにどうしてこのような差が・・? よく見てみると形状に違いがあるようです。

 

今回の実験で使用したヨーロピアンコネクタ(メス)。

左からオーディオショップで購入したもの(1ヶ50円)、A社製(1ヶ100円)、B社製(1ヶ100円)

特に内径が大きく違います。内径が細いB社(写真右)のものがプロトラックと相性が良いようです。

全社の製品を調べたわけではありませんが僕が知る限りでは下記製品がプロトラックとの相性が良いようです

OK模型のゴールドコネクター(S)
カワダ模型のMCコネクター(メス)

 

オスを差し込んだときにガタつかないものが良いでしょう。

後日プロトラック社に確認したところやはり正確に電圧を測定できるようにヨーロピアンコネクターを採用したとの回答を得ました。今回の実験が裏付けられました ^^ ヨカッタ

なお、充電では大きな電圧誤差は確認できませんでした。おそらく放電に比べて電流が小さいことが原因と思われます。充電ではワニ口クリップでも問題無いといえるでしょう。