放電データの誤差を探る(SANYO 3300HV編)

毎回一定の放電データが得られれば何の苦労もないのですが、実際にターボマッチャーなどでデータを収集してみると毎回データが違っています。初めの頃はほとんどパニック状態でした。データが添付されて販売されているマッチドバッテリーを測定してもそのとおりの結果が出ないんですから・・一度はメーカを疑った事も^^;;

試行錯誤するうちに温度を管理することによってある程度データを一定にできることがわかりました。 それでもやはりある程度の誤差があるので、今回は誤差としてどのくらいの幅があるのか実験で確認してみました。

誤差の幅を明確にしておかないと正しくデータの評価ができないですからね^^;;

【実験の方法】
サイクル:1週間毎に1回充放電
方法:第1週に弱電流による充放電、第2週に25Aによる放電(データ記録)、
    第3週に弱電流による充放電、第4週に25Aによる放電(データ記録) のパターンを繰り返す
期間:10/21〜1/1までの72日間(11週間なので5回データ測定)
温度:室温、バッテリ温度は毎回一定にする。ターボマッチャーは測定30分前に電源を入れておく
使用バッテリー:SANYO 3300HV(12セル)

【結果】
以下の結果が得られました。赤字は最も値が良いもの、青字は最も値が悪いものです。

セル1 放電時間 放電平均電圧   セル7 放電時間 放電平均電圧
10月28日 464 1.156   10月28日 469 1.152
11月13日 463 1.148   11月13日 468 1.15
11月30日 462 1.151   11月30日 468 1.151
12月15日 466 1.149   12月15日 467 1.147
1月1日 462 1.147   1月1日 469 1.148
4 0.009   2 0.005
             
セル2 放電時間 放電平均電圧   セル8 放電時間 放電平均電圧
10月28日 473 1.155   10月28日 473 1.145
11月13日 473 1.152   11月13日 470 1.145
11月30日 472 1.155   11月30日 470 1.143
12月15日 474 1.153   12月15日 469 1.138
1月1日 473 1.152   1月1日 470 1.14
2 0.003   4 0.007
             
セル3 放電時間 放電平均電圧   セル9 放電時間 放電平均電圧
10月28日 471 1.149   10月28日 462 1.136
11月13日 465 1.142   11月13日 459 1.133
11月30日 467 1.145   11月30日 459 1.135
12月15日 465 1.14   12月15日 446 1.134
1月1日 466 1.14   1月1日 448 1.135
6 0.009   16 0.003
             
セル4 放電時間 放電平均電圧   セル10 放電時間 放電平均電圧
10月28日 474 1.154   10月28日 469 1.157
11月13日 470 1.146   11月13日 466 1.154
11月30日 472 1.152   11月30日 466 1.155
12月15日 469 1.144   12月15日 441 1.157
1月1日 471 1.145   1月1日 441 1.154
5 0.01   28 0.003
             
セル5 放電時間 放電平均電圧   セル11 放電時間 放電平均電圧
10月28日 466 1.141   10月28日 472 1.155
11月13日 465 1.141   11月13日 468 1.149
11月30日 465 1.143   11月30日 468 1.149
12月15日 464 1.139   12月15日 451 1.148
1月1日 466 1.14   1月1日 453 1.148
2 0.004   21 0.007
             
セル6 放電時間 放電平均電圧   セル12 放電時間 放電平均電圧
10月28日 463 1.137   10月28日 472 1.149
11月13日 462 1.138   11月13日 470 1.146
11月30日 461 1.137   11月30日 469 1.146
12月15日 461 1.134   12月15日 440 1.149
1月1日 461 1.136   1月1日 439 1.148
2 0.004   33 0.003

セル番号9〜12については4回目と5回目(表の灰色の部分)に放電時間が激減しています、放電平均電圧は特に変化が無いのですが・・(死んじゃったのかな?それともこれが本来の性能なのか??もう少し時間をかけて調べてみます。ただアメリカの某メーカでは慣らし充放電を10回程してから、マッチド作業をおこなっているそうなのでこのようなダメセルの存在をある程度見込んでいるのかもしれません)

まぁこれらのセルは無視^^;; してみると放電時間は最大6秒(平均すると3.4秒)の幅がありました。一方放電平均電圧は最大0.01V(平均すると0.006V)の幅がありました。

同じ方法でGP3300も実験中です。こちらはまた違った結果になりそうなのでまたレポートしたいと思います。