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Team CRC Japan2007レポート(41)

2007年のサポートドライバー 福岡県 久間 さんから送っていただいたレポートを掲載させていただきます。久間 さんありがとうございます。
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 2007サポートドライバーの久間です。いよいよ1/12全日本が今月末となりましたが、仕事の都合でエントリーする事ができません。参加される選手の皆さんをかげながら応援しております。
 今回のレポートは9月8日に行われたナイトレースと、全日本に出場する千葉県の友人からプロストラットの作り方を質問されたので画像をとりまぜて紹介したいと思います。というのも、今回のナイトレースで変更したセットアップと重複する箇所があるので参考にしていただけたらと思います。
《キングピン》
 千葉の友人からプロストラットのキングピンの事で電話がかかってきました。「プロストラットのキングピンの六角穴ってナメやすいの?組むときのコツとかある?キングピンいっぱいまで締めても久間セットの数値までならないんだけど。」という内容です。僕自身キングピンを曲げてしまう事はありましたが、ナメたことはいままでないのでなんともいえません。
 友人には「下穴をあけてからしめこんでいる。」と簡単に電話で伝えましたが、うまく伝えられない自分がもどかしくて仕方ありません。そこで画像をつかって説明いたします。


  (1) まずデュアルアクスルにキングピンを仮組みします。奥までねじ込み、キングピンを一番短い位置にしておきます。上の画像で左側に飛び出たネジがステアリングブロックにねじ込まれるわけですが、この長さがそのまま調整量となるわけではないので注意してください。(キングピンがステアリングブロックにある程度ねじ込まれていないとアクスルがぐらついて正確なキャンバーがとれません)

  (2) 先程仮組みしたものをそのままステアリングブロックにはめて位置関係を確認します。

  (3) (2)の状態のままキングピンの突き出し量を測ります。このときの計測量は組み立てるときの目安となるので、ある程度の正確さでいいとおもいます。

  (4) 角度をかえて超接写。少し見えにくいですが測定位置はステアリングブロック最下部にしています。

  (5) 仮組みしていたキングピンを一度ばらし、デュアルアクスルをステアリングブロックに装着します。ここでキングピンをねじこんでいきますが、完全にねじ込んでしまう必要はありません。キングピンがステアリングブロックにねじ込まれていく抵抗を少し感じるくらいでいいと思います。仮組みの第二段階となります。

  (6) (5)で仮組みしたものを再度ばらして、デュアルアクスルがない状態でキングピンだけをねじ込んでいきます。ステアリングブロックにネジ穴を切る作業なので、入りにくい場合はキングピンに少しオイルをつけてもいいと思います。僕は先にアッパーボールをつけてキングピンがボールを圧迫しないように確認しながら作業をしています。ここでのキングピン突き出し量は(3)で測定した値より若干短いくらいにしておきます。

  (7) (6)の作業がすんだらキングピンを抜いて、最終的な組み立てとなります。この時点でキングピンはかなりねじ込みやすくなっているので、一番短い位置が把握し易いと思います。ここで最終的なキングピン突き出し量を測定します。左右で同じ長さになるのが理想ですが、製品の精度誤差によってもかわってくるので注意が必要です。

  (8) 拡大画像です。僕の手持ちの部品だと、この長さが9.60mmでした。(2007/3月購入品)
     競技用車両なので精度誤差を考慮して自分なりの基準値をつくっておけばいいかと思います。
   以上のようにして組み立てます。セットアップシートにない項目ですが車の微調整にかなり役立つポイントなので参考になればと思います。
《 9月8日 ナイトレース 》
 前回のナイトレースでは運よく優勝できましたが、今回はどうなるかわかりません。とりあえず前回の走行で気になった箇所のチェックから開始します。
 走行開始直後は非常に扱いやすく速いラップで周回できるのですが、路面コンディションによっては2分経過したあたりからフロントタイヤがひっかかりだしてナーバスな動きをみせることがありミスをしやすくなる事があります。
 現状ではスプリングがアソシ0.45、キングピン突き出し量10.6mmでかなりいい感じなのですがここをみなおしていきます。他の箇所の可能性も考えたのですが、車の動きがロールアンダーな感じなのでこの箇所に限定してセットアップします。はじめにスプリングの線径を変えようと思いましたが動きのイメージがよくありません。ロールアンダーがただアンダーになるくらいならまだいいのですが、路面グリップが激変するとコケル危険性があるので線径変更はなしにします。旋回開始直後ではある程度のふんばり感をだして初期のハンドリングを良くし、コーナリング中盤以降はサスペンションをしなやかに使っていきたいのでスプリングのプリテンション変更がイメージと一致しそうです。そこでキングピン突き出し量を最短の9.60mmにしてみましたが突っ張り感ばかりでしなやかに動く気配がありません。こんどは突き出し量を10.0mmにしてみるとなかなかいい感じでイメージに近くなりました。レース開始時間がせまってきたので、この状態で実走テストさせることにしました。レース当日の初走行にしては充分すぎるほどイメージにはまる動きをみせてくれたので一安心、5分弱くらい走ったところでテストをきりあげてレースに臨みます。
 予選1回目。細かいミスはあるものの、トップとは5秒差で予選暫定3番手でゴールできました。ここでフロントタイヤのトラクション剤の塗り幅を10mmから9.0mmに、反応時間も5分から4分に短くして次の予選にそなえます。
 予選2回目は序盤からトップ2台のTQ争いとなりじりじりと離されていくのがわかります。途中ハードヒットしてしまい完全にトップグループにおいていかれてしまいましたが、その後を無難にまとめて若干のタイム更新できました。この時点でトップから6秒遅れの予選3位が確定しました。
 6秒落ちならチャンスがあるかもと臨んだ決勝ですが、やはりトップ2台が頭ひとつ抜け出した感じで先行します。が、2周目にはいったところでトップ2台が接触。その2台の間をきれいにぬけてなんとトップに浮上できましたが、その直後に後続の車に抜かれトップを奪われてしまいました。なんとかまきかえしてトップに再浮上、そのままゴールすることができました。これ以上ないくらいに運をつかってしまったようで次のレースが不安になりますが、この調子を維持できるよう努力したいものです...。

 この日TQの務さんのT-FOURCEです。リヤセクションもライトブルーにアルマイトしてありましたが、ブラシレスモーターを搭載するということでサイクロン12のパーツを流用していました。ブラシレスユーザーもかなり増えてきてるみたいですが、国内公式レギュレ-ションで変更があるまでブラシ付でがんばってみます。
                                          久間 健一郎
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