周回ペースの考え方

前回の記事で紹介した計測ソフトのアップデートを試験するあたって自分の勉強用にまとめた資料をまとめ直しました。今回はラップタイムを積み上げることで見えてくるゴール予想（ペース）に関するトピックです。ラップタイム、ペース、ベストペース、ベストリザルト・・など用語の説明からしていきます

ペースの考え方を知ることで練習目標が明確になってモチベーションが上がるはず

１）3分(180秒)で何周できるかのレースを考えてみます。単純化するために下記条件下での状況を考えます
★全周10秒のラップタイムとする
★レース初参加で過去の記録が無いものとする

２）レースがスタートしました。計測ラインを通過するとラップタイムが表示されます。そして同時にペースが計算されます（180秒 ÷ 10秒 = 18周）。今回は初参加のためベストペースもペースと同じ 18周0秒0になります

３）周回を重ねることでラップタイムが積み上がっていきます。全周10秒のラップタイムなのでゴールリザルト18周0秒0でレース終了しました。初参加のためベストリザルトも18周0秒0となります。さらにベストペースも18周0秒0となります

４）このドライバーの２レース目を考えてみましょう。次も３分のレースですがラップタイムが一定では無い場合です。ドライバーがはじめに計測ラインを通過したとき過去の記録から次の値がセットされます
★ベストラップ：10秒0
★ペース：0周
★ベストペース：18周3分0秒
★ベストリザルト：18周3分0秒

５）２レース目の１周目ラップタイムは15秒0でした
このとき各値は次のようになります。ペースだけが更新されました

★ベストラップ：10秒0
★ペース：12周0分0秒
★ベストペース：18周3分0秒
★ベストリザルト：18周3分0秒

６）２周目のラップタイムは2秒でした（平均ラップは(15+2)÷2=8.5秒）
このとき各値は次のようになります。赤字部分が更新されました。このペースでいけばベストリザルトを塗り替えそうです

★ベストラップ：2秒0
★ペース：22周3分7秒
★ベストペース：22周3分7秒
★ベストリザルト：18周3分0秒

７）３周目のラップタイムは15秒でした（平均ラップは(15+2+15)÷3=10.67秒）
このとき各値は次のようになります。赤字部分が更新されました。ペースを落としました。このままだとベストリザルトの更新はできません。ベストペースは変わらず22周3分7秒であることに注意してください

★ベストラップ：2秒0
★ペース：17周3分1秒
★ベストペース：22周3分7秒
★ベストリザルト：18周3分0秒

８）その後ラップタイムを積み上げて19周3分5秒でゴールしました。ドライバーにとっての新記録を達成しました。このとき各値は次のようになります。ゴールしたため、もはやペースに意味はありません。ベストリザルトが更新されました。ベストペースは変わらず22周3分7秒です

★ベストラップ：2秒0
★ペース：0周
★ベストペース：22周3分7秒
★ベストリザルト：19周3分5秒

９）ベストリザルト19周に対してベストペースが22周という点に違和感を覚えるかもしれません。ベストペースはすでに説明したように予想値であり、そのドライバーが潜在的に達成しうる記録であることを意味します。一方ベストリザルトは実際に記録されたドライバーの実績値です

ドライバーは次に出走するときに周回数という基準に対して下記２つの目標を持つことができます

★ベストペースを更新していけるか
★ベストリザルトを更新していけるか

ベストペースを更新するペースでラップタイムを積み上げれば当然ベストリザルトが更新されます。ベストペースを更新できなくてもベストリザルトは更新できる可能性もあります

１０）ZROUND計測ソフトではベストペースを更新しているのか読み上げてくれる機能があります。MRWでは10周毎にペースを知らせるように設定しています（例：〇〇さん、ゴール予想19周3分2秒5）。その際にベストペースを超えているならばそれも知らせてくれます（例：〇〇さん、ゴール予想19周3分2秒5、ベストペース）。

またゴール時には ゴールリザルトが読み上げられます。その際にベストリザルトを超えているならばそれも知らせてくれます（例：〇〇さん、ゴール19周3分2秒5、記録更新）。

１１）最後に今回説明した値をZROUND計測ソフトでどのように確認できるのか説明します

１１－１）ベストリザルト

１１－２）ペース

１１－３）ベストペース