Team CRC Japan2006レポート(44)




Team CRC2006メンバーのヤッキーさんから5回目となるレポートをいただきました。今回は読み応え十分の全日本選手権レポートです。
皆さんこんにちは、ワークス優遇のヤッキーです。 
今回は全日本選手権でのレポートと使用したシャーシをご紹介します。
まず、今回使用したJspecですが、このシャーシプロジェクトは今年の3月頃から始まりノーマルシャーシをもっと国内サーキット路面にマッチするよう改良をしていこうとチーム員の皆さんやコアなカーペットナイフユーザーの方達とアイデアを出しながら進めてきました。もちろんノーマル仕様でも国内サーキット路面で良く走りましたが更に良いクルマにしていこうと積極的なアプローチで改良をしてきました。
今年は世界選手権もありCRC社も多忙だったため、なかなか計画通りに進まずプロトシャーシ完成したのが1ヵ月前で充分なテスト期間は無かったですがテスターの皆さんの精力的なテストにより今回の市販バージョンが完成しました。詳細については他メンバーの方もレポートしてますので省きますが最大の特徴はノーマル比で約6ミリセンターピポットボールを後方移動させバッテリーも約5ミリ後方搭載にしリヤトラクションアップです。
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では、2006全日本選手権レポートに入ります。
全日本出場は6年ぶりとなり今年はワークス優遇での出場なので早めに現地入りしシェイクダウンとなるJspecシャーシのセットアップしようと24日から入りました。この日はあいにくの天気で練習走行はできず宿でまだ半完成だったJspecを組み立てることにしました。
翌25日は6時に起床。まだ路面は濡れてましたが天気は回復に向かってましたので宿で朝食をとってから会場に向かい準備を進めました。コース上ではコンディションアップさせるため川場名物?の廃油らしきチョコレート色の液体を撒布してます。この液体撒布が路面コンディションを大きく左右します。
ノーマルシャーシとプロトシャーシでの事前テストはしてましたのでタイヤグリップ剤などは事前テストまま変更せずクルマのセットアップに専念しました。この日は60名ほどの方が練習されてましたのでバンド待ちもあり7パックしか走行出来ませんでしたが、クルマは到って好調でした。フロント周りは略固定でリヤ中心にセットアップし、特にサイドスプリングやフリクションダンパーの硬さセンターショック取り付け角度など重点的にやりました。
Jspecでのシェイクダウンで感じたのは、不安定な挙動もなくリヤトラクションのかかりがよくグイグイ前に出る!!まさしく狙い通りでした。タイヤはFパープル・Rマゼンダ(HR-38ホイル接着整形済み)を使用しました。この日の前半は曲がりがいまひとつでタイムも良くなかったですがFタイヤのパープルがロットにより硬さがかなり違うのに気付き軟らかめのタイヤでやったところ、曲がりは良くなりコーナーでもよく転がるので、この軟らかめパープルでいくことに決めました。Rタイヤはマゼンダで全く問題なかったです。
この日の夜、チーム監督でもあるきみひこさんが、会場に大量のタイヤやスペアーパーツを持ってきてくれました。これで壊しても安心です(^^
26日は大会前日なので25日より多い70~80名ほどの方います。ここで、今大会大きな力添えを頂いた私の友人でもある河口さんが専属メカニックとして東京から電車で3時間半もかけてサポートに来てくれました。
Team CRC Japan&Kimihiko-yanonetとしてのブーズテントを出したのできみひこさんのご好意でピットもブース内に構えることが出来ました。本来なら今回参加されたTeam CRC Japanメンバーの方々も一緒にと思ってましたがスペースの関係で断念し私のみになってしまったのが残念でした。
この日の練習はエントリー制になり効率良く練習できました。走行毎にメカニックの河口さんに下からのクルマの動きを観察してもらいきみひこさんにはタイム計測と贅沢なサポート体制でした。
これにより、操縦台の上からでは解りにくいクルマの動きなども確認出来ました。
朝10時台から練習開始しましたが、このレースのために新調したアンプが私の操縦スタイルには合わず2パック走行させた時点で使い慣れたアンプに交換しました。これで大幅にタイムアップしたので今大会はこのアンプを使用することに決めました。クルマは前日同様の動きでしたが下からの観察だと、クルマが小刻みに跳ねてボディがバタついてるとのことでした。もっと張り付くようなクルマにしないとダメと指摘を受けたのでその対策として、センターショックオイルを#1000→#600にしダンパー長を僅かに延ばしリバウンドを取りました。あと、ボディと路面とのクリアランスも完璧にし路面干渉しないギリギリの低さに合わせました。この項目は普段、あまり気にしない項目だったので、河口さんの完璧な作業状況を
見てとても参考になりました。
以上の変更と共に、車高がこのクルマ(Tバーレス車)のセットの肝になる事を見出しました。全体的な車高より前後差が重要で、最大でも0.3mm差としそれ以上の前後差、特に前下がりだと著しくシビアな動きになってしまいます。前後差は左右の車高は完璧に合わせたうえで調整するのは言うまでもありません。
もし左右の車高が合わないなら、まずロアポッドを下から見て反ってないか確認するか、車高ゲージで左右の車高を確認し、もし反ってるようならモーターマウントのネジを緩め締め直す。それでも合わない場合はモーターマウントが曲がってますので交換するしかないです。
メインシャーシは先のmatsさんのレポートにあるように4つのシャーシブレースポストの面が出てなくシャーシが捻ってしまう場合が多いです。このポストよく見ると中心が少し盛り上がってるものがあるので、紙やすりなどで面を整えるだけでも捻りは無くなります。私はシャーシにポストを付けた状態でガラスの上に紙やすりを置き面出ししました。他にはキャンバー角が大きくクルマの動きを変える要素になる事を改めて知り、0.3°変えただけでもまともに走れなくなります。
27日、予選当日です。前夜は早めに床に着き体調を整えて挑めました。クルマのセットは前日までの走行で略、決まってましたのでこの日の路面に合わせ微調整していく作戦でした。
朝方の雨で路面はウエット状態でしたが、早めにピットを開き準備開始しました。メーカーブースということもあり、様々な方が挨拶に来られ興味深い話も聞け、とても有意義でした。コースは徐々に乾き3時間遅れで開始するとのアナウンスがありそれに合わせ準備を進めていきます。今回、河口さんがスケジュール表を製作してきてくれ出走時間に合わせ、バッテリー・グリップ剤など正確な時間が一目で解るようになってます。これは大変助かりました。
コースは例のコンディションアップさせる為の液体が撒布されてました。これなら、練習時と同じ路面コンディションになるのではないかと安心し出走順位が最後から2組目と遅いヒートだったので、皆さんの走り(クルマの動き)を確認しながら、河口さんとセットを話し合い車高・キャンバーFタイヤのグリップ剤の塗り幅など決めました。
他の方のクルマを見てますと、かなり路面は良いようで、ザクリぎみなクルマやハイサイドして横転するクルマもありました。(このような路面は得意だったので内心ニンマリ)
いよいよ予選1ラウンド走行です。
久々の大舞台?しかも皆さんのサポートを受けての出場なので操縦台に立ったときはかなりの緊張でした。そのせいで、スタートして1.2周はチグハグな運転になってしまいました。しかし、クルマは良く走ってくれ次第に緊張も解れ気負いすることなく走りきれました。とにかく、最初にタイムを出しておけば余裕ができるので、リタイヤはもちろん、ミスなどしないように心掛けました。
この時点では、パワーソースの不調は気付かずスペシャルバッテリー?を使ってるわりには最後の1周でタレるのは単なる握り過ぎだと思ってました。
予選2ラウンド
出走時間は18:35でしたのでナイター走行確定です。路面は更に上がると予想し、少し安定方向にセット変更しました。何故かナイター走行は得意で今度はファーストラップから落ち着いて走りタイムアップを狙ってました。しかし、無常にも雨で中止となり敢無く終了です。
この日の夜は豪華に焼肉を食べクルマのメンテナンスは全く行わず早めに就寝しました。
28日、この日は4回の予選ラウンドが予定され天候も朝から良く予定通りに進行されました。昨日の予選結果で組み合わせ変更され私は10ヒート中、7ヒート目と後半組みでした。この時点で予選順位33位だったと思います。あと少しタイムアップすればシード圏内です。
朝から好天だったためか路面撒布は行われず1/8レーシングでのコンディションアップのみでした。1/8レーシング走行させた方の話によると「全然食わない」とのことでしたので、セットなど相談しFタイヤのグリップ剤塗り幅を1/2→2/3に増やし初期ロールを増やす目的でサイドスプリングを少し浮かしぎみにし、グリップ剤+コパトーンを使いました。
予選3ラウンド
スタートしてクルマは若干アンダーぎみでしたが、これならなんとかいけそうだ!と思いストレートに出ると何故か遅い??このヒートで誰よりも遅くパンチもなくコーナーの繋ぎがイメージと合わず操縦しにくく走りながら何が原因なのか考えてました。結局、予選1回目のタイムより10秒以上遅い28周ギリギリのタイムでした。7分30秒でタレ始めこのタイムがやっとでした。
予選4ラウンド
とにかく8分タレずに走りきろうと、燃費の良いモーターに変更しもう少し曲がるセットにし挑みました。結果はまたしてもタレてしまい大幅に27周タイムダウンしてしましました。クルマも前後バランスが崩れてしまったようで、思うようにラインに乗せられなかったです。走行後、何故スピードが出なくタレるのか悩みましたが、使い慣れたアンプが原因ではないかと、5ラウンドは昼休みを挟むので思い切ってアンプを載せ換えることにしました。
予選5ラウンド
クルマのセットは3ラウンド目と同じにし、ボディの翼端板を3mm程低くしモーターも戻しました。スタートしてすぐにスピード・パンチは申し分ない状態になったのは確認できましたが、右オーバー左アンダーで走らせにくくスピードは戻ったものの、これではタイムアップは無理でした。不調の原因はアンプだと判った事がせもてもの救いでした。ゴールしてクルマを回収される僅かな時間で左右の蛇角を確認すると全く合ってなく、これではまともに走れませんね。アンプ交換しプロポのモデルネーム変更したのを忘れてました。
予選6ラウンド
これで最後なので、守りではなく攻めのセットで挑みました。この日は終始弱アンダーだったので、もっと曲がるようにキングピンへのダンパリングを軽めにし、Fタイヤのグリップ剤塗り幅を2/3→4/5に増やしボディの翼端板を更にカットし、車高を少し前下がりにしフリクジョンダンパーグリスだけは少し安定方向に#2000→#3000としました。グリットに付く前に左右の蛇角を完璧にしこれで最後だと集中力を高めスタートアナウンスに集中しました。
結果的には曲がるセットにし過ぎオーバーステアになってしまいステアするとリヤーが流れてしまいます。丁重なステリングワークを心掛け走行してましたがラスト1分位だったでしょうか、トップの選手が背後に迫ってきたので、バックストレートの出口で譲ろうと、アウトに膨らんだところ、一瞬ノーコンになりコントロールを失いそのまま外周の草むらに飛び込んでしまい、ボディが裂けたのとセンターショックが外れてしまいリタイヤです。
この日は例の液体を撒布しなかったので路面コンディションはあまり良くなく、事前練習も含め、撒布してない路面で走行させた経験が無く、この状態でのセットデータも無かったので苦労しました。どのような路面でも、セット出しが可能なセッティングセンスがまだまだ足りないなと反省しました。予選最終結果は37位決勝はDメインになり自己最高の成績でした。
夜はTeam CRC Japanのメンバー方々や、他皆さんと食事をし楽しく過ごしました。食事が終わってからもユーザーサポート?の一環としてJspecシャーシ組み立てサポートに出向き夜遅くまで賑やかに過ごしました。これも全日本ならではです。
開けて決勝当日、この日も例の液体撒布は行われず、1/8レーシング走行のみでした。出走時間がランチタイム後と遅かったので余裕を持ってクルマのメンテナンスも出来ました。クルマのセットは前日の予選3ランド目とほぼ同じにし、事前練習も含め今大会通して使ってましたHR-38ホイルに換え前後TRC社のホイルにしたのが大きな変更点です。このホイルはHR-38と比べかなり軟らかく、オフセットも違うのでどのような動きになるか少々不安でしたが、前日と同じ事をやったのでは進歩がないですから、思い切ってやってみることにしました。
7番グリットはイン側ですが、走行ライン上ではないため少し不利なグリットでした。しかし、スタートが得意になったのと抜群のトラクションのJspecシャーシですから、1コーナーまでにジャンプアップを企んでました。話は戻りますが予選終了した時点で頑張れば31位にはなれる事に気付き、少しでも良い成績
が残せるよう諦めず頑張ろうと思いました。いよいよスタートです!ヨーイドンのスタートは久々だったので緊張しましたがクルマは完璧だと信じてトリガーを引きました。ロケットスタートが見事に決まり1コーナー進入時には3番手までジャンプアップしました。若干前後バランスが崩れクルマの動きがギクシャクしてましたが、そんな事は気にせずここからはクルマではなく人間の勝負だ!と思いバトルを楽しみました。
中盤はかなりの接戦で、これが全日本の決勝だとワクワクドキドキしながら走行を続け中盤の握り過ぎが影響して7分30秒辺りからパワー感が薄れゴール寸前のは完全にタレてしまいましたが、なんとか3位をキープしゴールできました。目標の31位には届きませんでしたが、見てた方が感動?するほで、いいレースができて満足でした。
この大会を通じて感じた事は、皆さん1/12レーシングが好きでマナーの良い、とてもクリーンなレース展開で気持ち良かったです。全日本でしか味わえないものがあり、皆さん遠くからわざわざ参戦する理由が分かりました。それと同時に河口さん、Team CRC Japanメンバー他皆さんから、学んだものも沢山ありとても勉強になりました。
皆さんありがとうございます。
以上で私からのレポートは終わりですが今回は特別にメカニックサポートをしていただいた河口さんからレポート製作してもらったのでご紹介します。
《2006 1/12 全日本選手権 サポートのレポート編》
今年全日本選手権に予てからの友人が出場するということで開催前日の木曜日からメカニックサポートに行くことになりました。ドライバーはCRC Japan 2006 works driver のヤッキーさんです。私の主な仕事はドライバーの体調管理とバッテリーの管理の予定です。
ヤッキーさんにとって川場は初めてのコースということでした。過去の全日本出場は20数年前の大井競馬場、2000年のケイチューンだったそうです。事前の練習走行には私も同行し2回(2日)に行き3回目はレース前日になりました。全く初めてのコース、全走行パック数30パック前後で果たしてどこまで上位に行けるのかにとても興味がありました。
(本編)
 レース前日、電車を乗り継いで沼田駅に到着。
ピックアップしてもらい朝10時ごろにコースに到着しました。この日はレース前日ということで走行は夕方5時ごろまで。メカニックは始めてなので手順の確認とタイム計測、車出しを手伝いました。練習後ははやる気持ちを抑えて睡眠時間を確保するため、11時前に寝ました。
○1日目
プロポ回収と同時に走行ヒートが発表されました。抽選の結果運良く終わりから2つめのヒートになりました。この日、朝方は雨だったので練習日と同じようにグリップを上げる液体が散布されました。プラクティスが始まると、クルマがハイサイドしています。これをみて後の組み合わせの利点を利用し、事前練習で塗っていたクリームを使わないことにしました。ところで私の仕事のバッテリーとグリップ剤の管理は
3時間前から放電コンディショニング
2時間前から充電を始め
1時間前にグリップ剤をぬり
(35分前にクリームをぬる)
20分前に大まかに拭き取り始め
15分前から追い充電をして
レース直前まで再び入念にグリップ剤を拭き取る
これを1サイクルとし、事前に発表されたスタート時間から逆算し予選6ラウンドと決勝の全7サイクルのタイムスケジュールを表にまとめ、最も起きて欲しくないバッテリーとグリップ剤の管理時間のミスがないように気を配りました。
予選1ラウンド目。
私はクルマ出しをしてドライバースタンド下の助手の待機席からレースをみていました。コースサイドから注意深くクルマを観察すると全体的に足回りをソフト方向にセットしたにもかかわらずクルマが跳ねているように見えます。そしてHR-38フロントホイールを使ったためステアリングをきったときに路面を引っかく音も聞こえました。走行後にシャーシとタイヤ、ついでボディを調べてみました。するとボディが路面と干渉していたことが判りました。今回はパーマ製のスピード8を可能な限り低く搭載していたのと、コースコンディションがバンクや逆バンク、それにギャップなどでボディが路面に干渉しているのが原因だろうと考えて、路面を想定しながらもう一度慎重にカットして調整し直しました。
予選2ラウンド目。
みるからに路面が落ち着いてきたようです。本部の掲示板までレース結果のプリントアウトを見に行くと、私達より前を走るほとんどのヒートで各車大幅にタイムアップしていました。また朝の雨のためこの日のスケジュールが3時間遅れで進められていたことから私達の2ラウンド目スタート時刻は6時35分となっており、路面温度が下がって絶好のコンディションになりそうです。ここで明日の予選2日目は晴れとの予報から最終の予選6ラウンド目の終了が4時前後のため路面温度が下がりきらないはず明日は今日の予選2ラウンド目ほど良いコンディションにはならないだろうと考えて考えられる限り最もタイムのでる準備を施し入念にグリップ剤を拭き取りながら私達の一つ前のヒートを見ていました。
ところがこのヒートの5分経過頃に霧雨がぱらつき始めます。その後次第に本降りになり予選2ラウンド目はキャンセルになりました。
2日目は朝が早いので11時前に寝ました。
○2日目
朝6時にはピットで準備を始めました。前日のタイムからDメインヒートでの走行となります。朝のコースコンディショニングはラウンド開始前に1タンクほど1/8 racingが走っていました。グリップ剤の散布がなかったのは事前練習を含めて始めてでした。このときは次第に路面は上がってくるだろうと思っていたのですが結局思ったほどは上がらずまた私達は散布のない路面で走ったテストデータがありませんでした。
予選3ラウンド目
僅かなセット変更を施して予選3ラウンド目に望みます。前日にあったボディの干渉収まりクルマは良いようです。しかしラップタイムは思うほど伸びてきませんでした。
予選4、5ラウンド目
お昼休みを挟むこのラウンドはタイムアップが難しいだろうと思いクルマのテストをすることにしました。しかし良い方向には進みませんでした。全体的によりソフトに、ロールを多くとる方向で試みたのですがコーナリング中の動きが多角形的になってしまいました。
予選6ラウンド目
最後のタイムアップを狙いました。しかし、1ラウンド目のタイムを若干下回るペースで走行。おそらくドライバーはクルマをなんとか操ろうと必死にドライブしていたことと思います。そんな中7分が経過した頃でしょうか、トップを走るクルマに外周からバックストレートに入ったところでラインを譲りました。ところがホコリを拾ったのかアンダーが出て大きく外に膨らんだため突然のノーコンでステアリングが一気に左全、草むらに飛び込みボディが裂けて走れなくなってしまいました。クルマが縁石に隠れない程度のイン側に入って譲るとノーコンになりずらかったのですが、ホコリを拾ったので曲がりきれなかったのかもしれません。
この日は全ての予選ラウンドが終わったので私はビールを摂取し早めに就寝。一方ドライバーは、明日の決勝にカーペットナイフJスペックで挑戦したいというユーザーのもとへ組み立てのお手伝いに行ってきたようです。
○3日目
この日も予選2日目と同じく、グリップ剤の散布はありませんでした。しかし1/8 racingが40分ほど走行していました。
決勝
予選の結果、Dメインの7コースからのスタートとなります。ドライバーは液体の散布が行われた一日目のクルマの印象が良かったようでそのセットに戻しホイールだけをTRCのイエローに変更しました。
決勝Dメインは1時間ほどのお昼休みを挟んだ直後に行われるため路面温度は高くなり、休み時間に路面にホコリがのるのでタイムは上がらないと思いました。7コースのスタート位置はちょうどT字コーナーの下側に位置し、走行ライン上ではないことからライン上以上にホコリがのっているはずです。また、7コースはイン側からのスタートになるのでスタート直後にラインに乗せやすいように、そして前方の5コースのクルマに追突しないようスタート枠の囲みのできるだけコースのセンター寄りにクルマをセットしました。ところで走行前のトリム調整などをしたときにタイヤにホコリがついていたのでそれを払い落とし、スタートポジションとスタート直後のライン上のホコリを取り除いて助手待機席につきました。気持ちよくスタートを決めてもらうためにやってみました。
期待したとおり抜群のスタートを切りました。
どうやらドライバーはスタートがかなり得意みたいです。1コーナーから左のインフィールド、外周を出る頃には3番手くらいだったでしょうかポジションを上げていました。クルマは路面とのマッチングがまだ今一歩のように見えましたが、なんとかドライバーの力量でコントロールして走っているようでした。かといってオーバーペースではなく、ペースをコントロールしていたのでしょう。
最終的に3位ゴールとなりました。今回CRCカーペットナイフの中では最上位だったそうですが、サポートとして終始レースに参加してみてまだまだ上位が狙えるクルマだと思いました。今回液体を散布していない路面でグリップ剤のテストができていれば、2日目をさらに気持ちよく走れたかな、と思ってレース
を終えました。
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下記のセットは予選ベストタイムを記録したセットです。
○全体
ボディ = パーマスピード8(翼端板追加)
車重 = 846g
シャーシ = Jspecシャーシ2.25mm
グリップ剤 = 黒缶HG 40分 
          Fタイヤ1/2塗り Rタイヤ全塗り(ショルダー部分は塗らない)
前後タイヤ = 前・CRCパープル42mm、後・CRCマゼンダ43mm 
前後ホイール = 前・HR-38、後・HR-38 
ギア比指数 = スパー・94T、ピニオン・25T 、指数・37.35
車高 = およそ 前・3.1、後ろ・2.9
○フロント
スプリング = トリニティ0.022”
キャンバー、キャスター、トー = 1°、 前後にシム、 ホイール前後のトレッドをノギス計測し前後差1.0mm 
キングピンシム = スプリング下0.25mm、 ナックル下0.5mm、ナック
キングピンダンパリング = #1000
ル上1.0mm、アッパーエンド上1.5mm
リバウンド = なし
タワーバー = アルミ製フロントエンドブレース Oリング1個
サーボマウント = アソシ製から自作 スラント搭載
サーボセイバー = キンブローミドル、最も内側の穴にピロボールを配置
○リア
ロールセンター(サイドリンク高) = 標準
サイドスプリング = CRCホワイト 1Gの状態で僅かに浮かし
フリクショングリス = 京商 #2000  
ライドハイトアジャスター = IRS 2.0
センターショック =CRC Dura-Shock 
ショックオイル・スプリング = #600 ・ レッド
リバウンド =  0.9mm
リアトレッド = 169mm  
○メカ類
モーター = Team Br00dチェックポイント8×2
バッテリー = DryHopIB4200VR-1W金 
別電 =無し
ESC = GM SX12WM
サーボ = 3401
レシーバー = 203F
決勝セット(上記のセットと変更箇所のみ)
キングピンダンパリング = #300
車高 = およそ 前・2.5、後ろ・2.5
グリップ剤 = HG30分+コパトーン20分計50分
リバウンド =  1.1mm
前後ホイル = TRC
リアトレッド = 167mm  
ESC = MX PROコンペティション(プログラムモード⑤)
以上でレポート終わります。約1年カーペットナイフを使ってきてまだ完璧には使いこなしてない部分もありますが、このクルマの良さは充分解り、これでワークス待遇としては引退ですがこれからも、このクルマでやっていこうと思ってます。
既に発表になった新型車Generation X も魅力的なクルマだと思います。来年はこのクルマで1/12レーシング楽しんで行こうと思ってます。出来れば来年も全日本選手権に出場してみたいと考えてます。
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